さて、今日は、あなたが一番に気になっている昔々の「ねこの王国」のお話をしようかね。
猫の王国は、森のずっと奥、人間には見えないところにあるよ。お前さんが迷い込んできたところと同じところ、かしらねぇ。
入り口はポイズンガーデンという場所で、毒のキノコが光っていて、きのこ猫たちが人間を見つけたら分解して森の一部にしてしまうよ。
お前さんは、たまたま、きのこ猫に見つからずに、この森の外れの私の家に迷い込んだ、というわけさ。
広大なポイズンガーデンに囲まれた王国が「猫の王国」さ。
王国では、猫を一番偉い存在として、クマや、ひつじや、うさぎ、鹿など動物たちが仲良く暮らしているよ。
お前さんたちと同じように、二本足で立っておしゃべりもするし、洋服も着る。
王宮の周りには街があって学校があって、人間と変わらない暮らしさ。

猫たちは、この王国を守るために、訓練された猫たちが人間界にこっそり偵察に行っているよ。
昔はねぇ、人間と猫の王国は仲良く交流していたんた。でも、人間が欲張りになって、自然や動物たちの命を奪うようになって、王国は心を閉ざしてしまったんじゃよ。
それ以来、森の奥と、特別な場所にだけ、人間界と行き来できる扉があるだけになったのさ。
お前さんが、ここを出て学校に行ってみるのならば近衛警護隊訓練クラスのジュノを訪ねるといい。ジュノは、幼い頃、私の家にもよく遊びに来ていた孫ような子で、とても利発な子猫さ。
2年生になって王国の学校の周りの警護もしているそうだから、ジュノにあったら、わたしの世話になったと伝えるといいよ。
生真面目な子だから、お前さんを守ってくれるはずさ。
ガチョウのおばあさんのお名前は、Ms.Doily Maple(ドイリー・メープル)です。 編み物が得意で、童話と、ミステリー推理小説が好きなおばあさんです。おばあさんには秘密は隠せません。
そして、こちらのお話は、本編『クマになった少年 ベンの家と猫の王国』とは少し異なる、短編のご紹介物語です。猫の王国に暮らす個性豊かな仲間たちを、ガチョウのおばあさんが紹介します。 ひとつずつ、魔法のように開く扉。登場人物たちの世界を覗いてみてください。
