月猫ルクスエテルナの儀式

今日は満月の夜、そうね、お前さんに猫の王国の月夜の儀式のお話をしましょうか。

猫の王国では、命が尽きることを「森へ還る」と呼んでいるわ。
それは、悲しいことじゃないのよ。
死は終わりじゃなくて、新しい始まりだと考えられているからよ。

命を終えた動物たちの魂は、一度ポイズンガーデンに宿るのよ。
そして、月の光が一番強く降り注ぐ夜に、月猫のルクスエテルナが儀式を始める。

『人間の命は、たったひとつ。
でも、猫の命は九つあるのですよ。
それぞれの命が森に還るとき、
きのこはその輝きをまとい、また新しく生まれ変わるのです』

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『わたしたちの子どもたちよ、さあ夜空に舞い上がりなさい。
輝く歌を唱え、輝くダンスを踊って。
そして、その永遠の輝きを、きのこの森へとお還りなさい』

歌と踊りで魂を清め、輝く胞子となって、天へと送り返すの。
その胞子たちは、夜空に舞い上がり、美しい光になって、次の命を待つ魂となるのよ。

そして、その光が、また新しい命を宿す場所を探して、地上へと降りてくる。そうして、また新しい命を吹き込むの。

この儀式があるから、猫の王国では、みんなが安心して生きることができるのよ。


こちらのお話は、本編『クマになった少年 ベンの家と猫の王国』とは少し異なる、短編のご紹介物語です。
ひとつずつ、魔法の扉を開くように、登場人物たちの世界を覗いてみてください。更新は不定期です。

ガチョウのおばあさんのお名前は、Ms.Doily Maple(ドイリー・メープル)です。編み物が得意で、童話と、ミステリー推理小説が好きなおばあさんです。おばあさんには秘密は隠せません。


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